Fm yokohama84.7『The Burn』内の釣りコーナー、Sagamiya presents~爆釣モーニング~では、2020年4月より放送時間をお引越し、内容もリニューアルしました。
釣りをしたことがないビギナー向けの釣り物を毎月ご紹介します!
「渓流釣り」ってどんな釣り?
川の上流・中流域で、ルアー・フライ・エサなどで、ヤマメ・イワナ・ニジマスなどを狙う釣りです。大自然の息吹を感じながら竿を振る楽しい釣りです。
前回ご紹介した管理釣り場と違って、より警戒心が強い魚が多いので難しい部分もありますが、釣れた時の満足感があります。
山深い清流で竿を振るだけでも楽しいですが、やはり、釣れた魚の魚体が綺麗だと満足感が格段に違います。
渓流釣りがビギナーにオススメな理由は?
全く釣りが初めてという方にはハードルが高い釣りかもしれません。ですが、コロナ禍で密を避けて自然を満喫できると、昨年から注目されています。
基本的には山登りのように沢を登っていくような、川幅がとても狭いところを「源流」、川幅が広くて開けたところを「本流」と言ったりします。
初めてであれば、ある程度開けて足場が良いところがオススメです。
渓流釣りができる期間と場所について
管理釣り場と違って渓流釣りは資源保護のため、禁漁期間があることも多いのが特徴です。だいたい3月や3月中旬など、3月に解禁日を迎えるところが多いです。
ちなみに相模川水系は、3月1日解禁です。行きたい河川については事前に調べてから釣りに行きましょう。
また、河川によっては支流など、年間を通して禁漁区があったりしますので注意が必要です。
遊漁券のお話
河川には漁業権が設定されているところがあります。漁業権が設定されている河川を管理する漁協(内水面漁業協同組合)が発行する釣り券のことを遊漁券といいます。
漁協は、成魚や稚魚の放流、漁場整備などをして魚がいる川と釣りが楽しめる場を維持しているんです。
このように漁協が管理している河川で、漁業権の対象となる魚を釣る場合は遊漁券が必要となります。遊漁券を買わずに無許可で釣りをした場合は『密漁』になってしまいますので、注意して下さい。
万が一買い忘れてしまっても、“現場売り”といって、漁協の監視員が見回りに来た際に購入することができます。ただ、現場売りは割高になるので事前に購入しておきましょう。
また、対象魚や河川によって価格が異なりますので、漁協のホームページや取り扱いのある釣具屋などで
調べておきましょう。
遊漁券の購入方法
河川に近いコンビニエンスストアや、釣具店で購入することができます。
ちなみに、当店で取り扱いのある渓流魚の遊漁券は下記です。
- 相模川水系(日釣り券、年間券)
http://sagamigawa-gyoren.jp/news.html - 酒匂川(年間券)
http://www.sakawagawa-gyokyou.jp/plice&rule.html
遊漁券の扱い方・所持の仕方
購入した遊漁券は必ず身に付けて下さい(帽子、肩、ベストなど)。
失くしたり破いたりしないように気をつけましょう。
渓流釣りにはどんな釣り方がありますか?
渓流釣りは管理釣り場と同じで、テンカラ・フライ・ルアー・エサ釣りがあります。ビギナーには道具が手軽なエサ釣りがオススメです。
管理釣り場のエサ釣りでは“ウキ釣り”をご紹介しましたが、渓流釣りでは表層の早い流れにウキが引っ張られてエサを自然に流すのが難しいので、警戒心が強い魚にはエサが不自然に見えてしまいます。渓流ではミャク釣りがオススメです。
※ミャク釣り…ウキを使わず、糸の変化や竿・指先へのアタリを感じて釣る釣り方。
ビギナーにオススメなエサ釣り(ミャク釣り)の道具は?
道具
竿と仕掛けがあれば釣りができます。
竿
4.5m~6mくらいの延べ竿
※竿の長さは川幅によって変わります。
仕掛
市販の完成仕掛けがあります。
自作する場合は下記をご参考にしてください。
【接続部】オーナーばり『軽量丸カン』最小
エサ
解禁当初はイクラやブドウ虫を使いますが、その後はブドウ虫と川虫を使うことが多くなります。
川虫は、その川や時期によって捕れる種類が異なりますが、その時に捕れた虫を魚は捕食しているので気にする必要はありません。数種類の川虫が捕れたら付け替えてみましょう。
代表的なのは、ヒラタ、ピンチョロ、クロカワムシ、オニチョロなど。
だんだん慣れてくると、それぞれの川虫が捕れやすい場所が分かってきてエサ取りが早くなりますよ。
例)アトラスイクラ
例)ブドウ虫
その他必要なもの
ウェーダー
詳しくは後述の『渓流釣りでの服装について』をご覧下さい。(ここをクリックすると直接ご覧頂けます)
※ウェーダーがない場合は長靴を用意しましょう。
タモ
釣れた魚をキャッチするのに必要です。
ベルト
詳しくは後述の『渓流釣りでの服装について』をご覧下さい。(ここをクリックすると直接ご覧頂けます)
エサ箱
ブドウ虫など、エサを入れておきます。
ハリ外し
魚がエサを飲み込んで、指ではハリが外せないことがあるのでハリ外しがあるとハリスを切らずに済むのでとっても便利です。
釣り方と注意点
まず、釣りをはじめる前準備を説明します。
仕掛けの取り付け方
市販の仕掛けは竿への結び先が分かるようになっているので、穂先に結んで竿を伸ばしながら少しずつ仕掛けを出していきます。
市販仕掛けは、竿の全長に合ったものが出ていますが、もし竿の長さに合う仕掛けがなかった場合は、長めの仕掛けを購入して竿の長さに合わせてカットして下さい。その際は、針が竿の一番下から20cmほど短くすると使いやすくなります。
エサの付け方
いくら
いくらの端の方を刺して、何か所も刺さないように気を付けましょう。針の大きさや状況によって、1粒~3粒ほど付けるようにして下さい。
↓エサ付け例
ブドウ虫
ブドウ虫は頭の後ろあたりから刺していって、胴体の下部あたりから針先を出します。
※針先を出す位置は、針の大きさやブドウ虫の大きさによって変わります。ブドウ虫の全体に針を通すと動きが出ないので気を付けましょう。
例)マルニチ『ヘリオス』M・Sサイズ
例)マルニチ『渓流専用エサ』
ハリにエサを付けたら準備完了!
釣り方
仕掛けを上流に振り込んで下流に流していきます。基本的にはウキを付けない仕掛けを使うので、目印を見ながら流していきます。
慣れるまでは、水深のどの付近にエサが流れているかなど分かりにくいですが、オモリの重さを変えていくと分かるようになると思います。具体的には、ガン玉の『B』の重さくらいからはじめて、底に引っ掛かることが多ければ軽いオモリに変えてみて下さい。
逆に、仕掛けが早く流れてしまうようならオモリを足してみて下さい。
注意点
防寒対策
3月の解禁直後は水温も気温も低く、まだまだ寒い時期なのでしっかり防寒対策をしましょう。火や電気を使わず水を入れるだけで食材や飲み物が温められる『携帯用あたためキット』があると便利です。釣り以外に、キャンプや登山でも重宝するアイテムです。
安全第一
川の中は思った以上に滑りやすいです。
また、見た目では大した流れでなくても、中に入ると流されそうになることもあるので足元をしっかり確認しながら安全第一でお願いします。
飲酒しながらの釣行も大変危険ですのでやめましょう。
はじめての渓流釣りはどんな場所がいいの?
魚が少ないところだと、釣果が厳しいと思います。やっぱり魚は釣れた方が楽しいと思うので、最初は、イワナやヤマメなどの渓流魚がしっかり放流されている河川をオススメします。インターネットなどで、川の名前や漁協名で検索すると放流情報を確認することができます。
あとは、川が開けていて、足場の良いところを選んで下さい。木や草が生い茂っているようなところは、振り込んだ際に仕掛けを引っ掛けてしまう可能性があるので避けた方が良いです。
慣れてきたら色々なところに挑戦してみて下さい。
魚が釣れたらどうしておくの?
釣れた魚は丁寧に扱う
持ち帰らずにリリースする場合、直接手で魚を触らないで下さい。トラウトの体は非常にデリケートです。人の手で直接触れてしまうと、体はやけど状態になり、弱ったり、死んでしまいます。写真撮影する場合は、手を水で冷やしてからネット越しに持つようにしましょう。
また、岸にも上げてはいけません。極力水から出さないようにして素早くリリースするよう心がけましょう。
また、小さいサイズは出来る限りリリースしてあげましょう。リリースするサイズが決められている河川もあるので注意しましょう。(例:ニジマス12cm以下はリリース、など)
同じポイントで釣りを続ける場合は、すぐに魚を逃がさず、友舟や友バッグなどに入れて生かしておきましょう。釣りを終えてから逃がすと、場荒れせずに魚が釣れ続いたりします。
釣った魚の持ち帰り方&オススメの食べ方
下処理
まずウロコを取ります。金属たわしでこすると簡単に取ることができます。
次に、エラと内臓を取り除きます。“つぼ抜き”と言って割り箸2本で簡単に取ることができます。魚の口からエラの外側に割り箸を通してお腹の中に入れます(左右1本ずつ)。魚を持って2本の割り箸を回転させるとエラと内臓が一緒に取れちゃいます!
食べ方
塩焼きと唐揚げが簡単で美味しいです。手間はかかりますが、燻製にする人も多いです。
唐揚げは、一匹まるまるか、三枚おろしをぶつ切りにして片栗粉をつけて揚げるだけ♪あんかけにしても美味しいですよ。
2020年12月23日の釣行にて調理してもらいました。
※刺身で頂いたのは管理釣り場のニジマスです。天然の川魚は寄生虫の恐れがありますので、必ず加熱してお召し上がり下さい。
渓流釣りでの服装について
竿・仕掛・エサだけあれば釣りの行為自体はできますが、車から離れ、自然を満喫しながら釣り進んでいくのであればちゃんとした準備が必要です。
フェルトソールのウェーダー
“胴長”と呼ばれているもので、防水の長靴とズボンが一体化したものです。
防水素材なので川に入っても濡れません。フェルトソールは、苔が生えて滑りやすくなっている岩の上でもしっかりグリップしてくれます。丈は2種類あり、胸まであるチェストハイと、腰までのウェストハイがあります。行く川によって違いますが、渓流釣りならチェストハイがオススメです。
例)チェストハイ
プロックス『テフロンポリエステルウェーダーチェスト/フェルトPX330』
例)ウェストハイ
プロックス『テフロンポリエステルウェーダーウェスト/フェルトPX333』
ベルト
無いととっても不便なのがベルトです。タモを差しておいたり、ペットボトルホルダーを付けたり、ベルトに装着できる小物ケースなどもあるので両手がふさがることがなく、必要な物を身につけることができます。
フィッシングベスト
ベルトと同じく、渓流釣りでは重要なアイテムです。フィッシングベストにはたくさんのポケットが付いていて、予備の仕掛け・オモリ・ハサミと言った釣りに必要なアイテムから、絆創膏や日焼け止めや目薬など、持っていたい小物を収納しておくことができます。ベルトとフィッシングベストはウェストポーチのような役割をするんです。
渓流釣りは、寒さが残る3月に解禁され、10月中旬頃から禁漁となります(禁漁期間は河川によって異なります)。時期によって着るものを工夫しましょう。
寒い時期はしっかりとした防寒対策をしましょう。
夏場など気温が高い日は、暑いからと言って半袖を着るのはやめましょう。虫刺されや、植物などで傷つくことがあります。虫除けなどの対策もしっかり行って下さい。
また、どの釣りでも、目や顔の保護のため帽子と偏光サングラスは着用しましょう。